松本哉「永井荷風という生き方」を読んで

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最近時間があると東京の街をあちこち歩いたりしています。

東京に長年暮らしていても、まだまだ知らない場所がたくさんあり、そしてまだまだ見たこともない建物や自然が残っていたりするものです。

そんな折、かつて東京の町をほぼ毎日のように歩き回っていた人がいたことをふとしたきっかけで知りました。

その人の名は、永井荷風。

「墨東綺譚」という作品名は文学史上で知っているのみで実際には読んだことがなく、その人物像は全くといっていいほど知りませんでした。

しかしこの「永井荷風という生き方」という本を手に取り、読んでみると、その人となりがなんとなくイメージできるようになりました。

永井荷風はほぼ毎日日記をしたためており、本書はその日記を基にして荷風像を構築していきます。

毎日の東京散歩だけでなく、当時は公にされなかった同じ作家仲間への悪口、戦時中の政府・軍部への不満、そして華麗なる愛人遍歴について触れられています。

東京散歩も主に浅草、玉の井といったところがメインだったようで、当時の町の様子、そして風俗がよくわかるように記述されていました。

原文では難解な漢語がたくさん出てくるので解読するのに骨を折るのですが、その表現力の高さには圧倒されながら少しづつ読んでいきました。

しかし悪口や愛人遍歴については決して褒められるものではなく、読んでいて気分がいいものではありませんが、それが永井荷風という人物を形成していた大きな要因でもあるのです。

それがあるからこそ様々な作品を残すことができたし、東京のあちこちにも出かけていたのだと思います。

永井荷風が亡くなったのは昭和34年(1959年)。

赤線が廃止された翌年に亡くなったというのも何かの因縁なのでしょうか。

これから永井荷風の作品を読んでみて、東京という都市のかつての姿及び当時の人々の姿を想像してみたくなりました。

永井荷風という生き方 (集英社新書)
松本 哉
4087203646

墨東綺譚 (岩波文庫)
永井 荷風
4003104153

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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