琵琶湖疎水のインクラインを下から上まで歩いてみた 春の京都紀行 その30

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3月6日。
南禅寺の南から平安神宮方面にかけて琵琶湖疎水は高台から急激に下っていきます。
疎水の脇の道路を歩いていても急坂であることを実感します。
あまりに高低差がある水路だったため、疎水を通る舟が通常通りに運行することができず、明治23年(1890年)にこの急斜面に線路を設けて舟を運ぶための鉄道を造りました。それがインクラインと呼ばれるものです。
現在では使用されていない施設となっていますが、今でも線路がしっかりと残っているのでその跡を辿ってきました。
まずは一番低いところから始めましょう。
そこには京都市上下水道局琵琶湖疏水記念館が建てられており、館内で疎水の歴史を学ぶことができるようになっていました。
今回はそこには立ち寄らずに、その前のたっぷりある水からスタートします。

ここいは水があるのですが、一度勾配が始まるともう水はありません。

ここがインクラインの跡です。
上り始めてすぐのところに線路がありました。

かつてはここに舟運搬用の鉄道が通っていたわけです。
線路のすぐ横には小さいながらも琵琶湖疎水が上から下へと流れています。

その水の音を聞きながら上へ上へと歩いて行きました。
この日は日曜日で暖かな午後でもあったので、たくさんの人がインクラインを歩いていました。

ん?坂の上に何かがありますね。
近づいて見てみましょう。

これはインクラインで運用されていた舟の運搬用の鉄道です。
もちろん色は塗り替えられておりますが、当時の様子がこれで想像できますね。

さらに上を目指します。

すると左手に古風なコンクリート建造物が見えてきます。

ここはインクラインの変電所跡でしょうかね。。
先日レポートした南禅寺の水路閣もそうですが、この付近には産業遺産がゴロゴロしているので歩いていて楽しいことこの上なしです。

そして急斜面の終了となるポイントにはもう一台台車の展示がなされていました。

ここから下を見下ろしてみると、、、

こんな急斜面で、京都の町があんなに下に見えるのですよ。
こんな場所に鉄道を通して舟を運んでしまうなんて明治の人々の気概たるや相当のものだったんですね。
自分たちの祖先の偉大さを思い知らされました。

さらにこの疎水を上っていくとこんなレンガ造りの建物もありました。

やっぱりここは産業遺産の宝庫です。

これまでの写真を見て気がついた方もいるかもしれませんが、現在インクライン沿いには桜の気が植えられています。
春にはこの線路が桜のトンネルに包まれるというわけです。
次に訪れる機会があるならば、ピンクに覆われたインクラインを見てみたいと思います。

インクラインはこのあたりになります。


大きな地図で見る

北西から東南にかけて水路が途中で途切れているように見えている場所がまさにインクラインです。

インクライン見学の後は地下鉄蹴上駅から地下鉄を乗り継いで京都駅へ。
そこから新幹線で東京へと戻りました。
この京都旅行レポートで述べたように、この旅ではバスや車を使わずに極力歩くようにしました。
その結果、万歩計によると3日間40km以上歩いたことになっていました。
どうりで足の筋肉がぱんぱんになっていたわけです。

今回の旅ではいつもの旅とは違って有名観光地をまわりましたが、歩いたことによって見ることができたものがたくさんありました。
でも僕が歩くことができた京都の路地はほんのごく一部でしかありません。
きっとまだ隠れた名所がたくさんあるのでしょうね。
京都への旅はまた次に続くということになりそうです。

春の京都紀行まとめ
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写真はNikon D90Nikon AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR AFSDX18105GEDVRで撮影しました。

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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