跡田直澄「散歩でわかる経済学」

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跡田直澄さんの「散歩でわかる経済学を読みました。
日頃経済のことについて考えながら生活をしているわけではありませんが、タイトルに「散歩」とついているからには読まずにはいられませんでした。
まずは目次から見て行きましょう。

第1章 高級住宅地散策
第2章 下町散策
第3章 大都会散策
第4章 農村散策
第5章 郊外都市散策

東京を中心として様々なところで著者と編集者が散歩をしながら経済について考えるというスタイルになっています。
例えば第1章の高級住宅地散策は成城の町が取り上げられており、なぜ高級住宅地にも関わらず空き地が多いのかなどが解説されています。
そこには農地と住宅に対する固定資産税の相違というからくりがあることが明らかにされなるほどと思わされる点がたくさんありました。

第2章の下町散策では浅草が取り上げられています。
ここで印象に残ったことはマンホールについてです。
マンホールひとつとっても実は町の形成の歴史がわかるのです。
マンホールには「雨水」「汚水」「合流」という文字がかかれており、流れている水の違いがわかるようになっているのです。
ところが浅草の古い町並みの中にはそのどれでもない何も書かれていないマンホールがあるそうです。
この無印のマンホールこそおそらく昭和20年代に作られたものではないかと筆者は推測しており、浅草などの古い町で狭い路地があるようなところだとこの無印マンホールがあるそうです。
つまり新しく下水施設工事ができないような街区にこの無印マンホールが残っているそうです。
普段足元を見ながら散歩をしてはいませんが、このような知識があるとふとマンホールにも目が行って、そこから歴史を推測することができるようになるかもしれません。

大都会では銀座、農村では上野原、郊外では立川が取り上げられており、それらの地域を歩きながら身近な経済について多数解説されていきます。
語り口は丁寧で簡潔にまとめられていますので、「経済学はちょっと・・・」という風に敬遠することなく読める1冊に仕上がっていると思いました。
従って専門に経済を勉強している人には物足りない内容かもしれませんが、あくまで一般向けの入門中の入門書であるということを付け加えておきます。
本書によって散歩する際の新たな視点を持つことができるようになるかもしれませんよ。

散歩でわかる経済学 (ヴィレッジブックス新書)
跡田 直澄
4863320787

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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