町を歩いているとたまになんでこんなところにこんなものがあるのだろう?と思わせるものがあります。
例えば2階にドアがあるのに、その下には階段も何もなくただドアがあるだけ。
例えば家屋の外壁になぜか付けられている男性用便器。
そんな「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」をトマソンと赤瀬川原平さんは名付けました。
そんなトマソン満載なのがこちらの本です。
超芸術トマソン (ちくま文庫)
赤瀬川 原平
厚さが約2cm程ある文庫本で500ページ近くあります。
ボリュームたっぷりの本書ですが、この先どんな美しく、面白いトマソンが登場するのかドキドキしながら読んだのであっという間に読み終えてしまいました。
赤瀬川さん自身が町を歩いて発見したものから読者からの投稿報告によるものまだたくさんのトマソンが写真付きで紹介されており、どれを見ても「おい!」と突っ込みを入れたくなるような無駄を発揮しているのです。
また、六本木の開発のために従来そこにあった住宅地から人々が追い出され、壊されるのを待っている姿がありました。
人が住むのを目的に作られた住宅も人が住まなくなってしまったら、それはトマソンなのでしょう。
そこには哀しみだけが残されていました。
そんな六本木のかつての姿を見ることができるというのも本書の特徴でしょう。
ただ面白おかしくトマソンを探すだけでなく、トマソン探しとは時代を見つめることでもあったのだと思います。
本書が発売されたのは1985年ということで、現在では掲載されているトマソンはほとんど残っていないことでしょう。
しかし、開発が進んでしまった都内でもまだまだトマソンが存在していることと思います。
僕自身地方ではいくつか発見したのですが、23区内ではまだ発見していません。
これから町歩きの時にはもう少し気をつけてトマソン発見に努めてみたいと思っています。
町歩き好き、おもしろいもの好きにはかなり興味深い本だと思いますよ。
赤瀬川原平さんの「超芸術トマソン」についての詳細はこちらから。
→超芸術トマソン (ちくま文庫)
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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