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オグシオの潮田玲子はバドミントンのコートを20分割して知覚する! 佐々木正人「時速250kmのシャトルが見える」

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佐々木正人さんの「時速250kmのシャトルが見える」を読みました。

この本は心理学者である佐々木さんと16人のトップアスリートの対談集です。

著者の佐々木さんは人がどのように世界を知覚しているかに関心を持っている方なので、アスリート達が競技をする際の世界の捉え方を5つのカテゴリーに分けて話を聞いています。

そのカテゴリーは「エリア」「地面」「空気」「水」「力」です。

「エリア」の知覚では、北京オリンピックのバドミントンのダブルスに出場したオグシオの一人、潮田玲子さんに話を聞いています。

彼女はバドミントンのコートを20分割して知覚していることが書かれており、またコートの広さも感覚的に把握できているのでわずか数センチという誤差も認識できるそうです。

オリンピックのバトミントンを見ていてラインをわずかに超えてアウトになるシャトルも判断できていたのを見て感心していたのですが、それはその長年の修練によって獲得できたトップアスリートならではの感覚なのでしょう。

「地面」では400mリレーで銅メダルを獲得した朝原宣治さんが登場します。

素人からすると足で地面を蹴る感覚があるのだろうなと思うのですが、実はそうではなく地面を掴んで、掴んでいる間に腰を前方に移動させて前へ前へと進んでいくそうです。

「走る」ということのイメージが僕と全然違うことに驚かされました。

その他、北京オリンピック出場者では「空気」で体操の鹿島丈博選手、「水」で飛び込みの寺内健選手、「力」でレスリングの吉田沙保里選手のお話が聞けます。

あの極限の戦いの中でどのような感覚、知覚が生まれていたのかが、本書を通じてなんとなくわかるような気がしてきます。

オリンピックの興奮がまだ続いているこの夏の間に読むといい本だと思いますよ。

ただ残念なのは一人との対談がかなり短いことです。

もっとたくさん読んでみたいという選手が大勢いるので、完全版の出版も期待したいところです。

時速250kmのシャトルが見える (光文社新書 361) 時速250kmのシャトルが見える (光文社新書 361)
佐々木正人


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