最近小説はあまり読んでいなかったのですが、一度読み始めたら最後まで一気に読み進めてしまったのがこちらの本。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾 秀介
本屋さんに行けば平積みされているので見かけたことがある人はたくさんいると思います。
この物語の主要人物は小学4年生の男の子2人と3歳の女の子です。
この3人がとある事件の解明のために大冒険をしていくのですが、そう聞くとジュブナイル小説だと思ってしまうかもしれませんが、全くそんな空気はありません。
主要人物の男の子の一人が自殺をし、もう一人がその死体を発見するところから物語がはじまるのです。
ここだけでもとても重たい雰囲気がただよってくるのですが、さらに現代的な非常にディープな病が所々に出てきます。
性的倒錯嗜好を持つ小学校教師、心の病、崩壊気味の家庭、動物虐待、妄想などなど、とにかく全ての登場人物が日常からかけ離れた行動、思考をするので、何が真実で何がキャラクターの妄想なのかがわからなくなってくるのです。
この独特の世界観の中で読者を翻弄し、そして事件は意外な結末へと向かっていくのです。
読後は爽快とはお世辞にも言うことはできず、どんよりした気分になってしまい、、日常を生きている僕らも一歩間違えるとこの「向日葵の咲かない夏」の世界に入り込んでしまうのではないかという恐怖感すら抱いてしまいました。
精神的な部分に興味がある人にとっては楽しむことができるミステリーだと思います。
好き嫌いの好みが分かれる作品だと思いますが、はまる人だと僕のように一気に読んでしまうと思いますよ。
道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」についての詳細はこちらから。
→向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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