谷崎竜「のんびり各駅停車」

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現在休刊中の雑誌「旅と鉄道」で連載されていた「のんびり各駅停車の旅」。
このシリーズはある路線の10駅前後を選んで、ひとつひとつ途中下車して車窓と駅周辺をレポートするという企画でした。
路線自体は観光路線を選ぶのではなく、どちらかと言えばあまり観光資源のないマイナーな場所を選んで、地味ながらもなかなか興味深い旅レポートとなっていたので僕は毎号楽しみにしていたものです。
そんな大好きだったシリーズが今回文庫本となって発売されることになったのでさっそく購入してきました。

のんびり各駅停車 (講談社文庫)
谷崎 竜
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収録されているのは6つの路線の旅です。
奥羽本線(福島ー米沢間)、上越線(沼田ー越後湯沢間)、北陸本線(魚津ー糸魚川間)、関西本線(亀山ー木津間)、高徳線(三本松ー徳島間)、鹿児島本線(川内ー鹿児島間)です。
どれも絶景が広がる路線ではなくどちらかと言えば玄人好みの渋めの選択になっていると思います。

著者である谷崎さんのレポートスタイルは、車両などの専門的な部分はほとんど触れずに、車内や駅周辺の散策で出会った人との対話をそのまま再現することが一番の特徴だと思います。
これにより人々の生の声に触れることができ、観光客だけでなく地元の人々の実際の生活を垣間見ることができるのです。
ともすれば綺麗な風景、有名観光地を見るだけで通り過ぎてしまうこともありますが、実際にはそこで暮している人もいるわけで、そこに注目した谷崎さんのスタイルはとても好感が持てるものです。
もちろん観光客との会話も忘れてはおらず、言わば部外者の視線もしっかりと押さえているので、さまざまな視点からその路線を堪能できるようになっているのも優れた点でしょう。

本書に掲載されている路線の中で僕にとって一番身近に感じるのは上越線です。
湯檜曽、土合、土樽は実際に降り立ったことがある駅で、その時の自分の目線を思い出しながら読み進めました。
また、奥羽本線の福島ー米沢間は列車で通り過ぎたことがあるけど、まだ途中下車したことのない路線です。
赤岩、板谷、峠といったかつてスイッチバックだった駅にはぜひ行ってみたいと思っていましたが、本書を読んでさらに行きたいという願望が強くなってきました。
その他の路線も、それぞれの地域に観光に行く時には通る場所だと思いますのでぜひ本書を読んで、路線の特徴、そしてそこに生きる人々のことを予習してから旅行すれば、さらに面白みが増すと思いますよ。

谷崎竜さんの「のんびり各駅停車」についての詳細はこちらから。
のんびり各駅停車 (講談社文庫)

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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