永井荷風の東京を歩く 「荷風! 2009年06月号」

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作家の永井荷風は1879年(明治12年)に生まれ、1959年(昭和34年)に亡くなりました。
今年、2009年は荷風が生まれて130年、亡くなって50年という年になります。
そんな荷風について大々的に特集を組んだのが先日発売された「荷風! vol.20」です。

荷風 2009年 06月号 [雑誌]
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表紙は山本高樹さんによる玉の井のジオラマで、橋の上に荷風がいるのがわかります。
「ぬけられます」の電灯がいい味を出していると思います。

さてさて、この「荷風!」の最新号ですが、特集は「没後50年記念企画 永井荷風の東京を歩く」です。
荷風は明治、大正、昭和の長きに渡り東京の町を歩き、東京の様々な場所を作品中に描いてきました。
例えば「墨東綺譚」の玉の井、「二人妻」の愛宕山などなど。
この「荷風!」最新号には荷風が描いた東京が現在どうなっているかというテーマで様々な人が寄稿しています。
特に気になった記事は、表紙にもなっており、巻頭にも掲載された玉の井ジオラマです。
路地裏のゴミ箱、屋台のオヤジ、寄り添う男女などが細かいところまで再現されており、当時の玉の井が目の前に広がっているようです。
もちろん僕は全盛期の玉の井を見たことがないのですが、このジオラマのなんとなく暖かい雰囲気に懐かしさを覚えます(実際には「暖かい雰囲気」などなかったのでしょうが・・・)。
もうひとつ気になった記事は、小岩についてのものです。
晩年の荷風は市川に住んでおり、川を越えた小岩にかなり頻繁に足を運んでいたということです。
当時の小岩にはベニスマーケットという闇市があり、さらに東京パレスもあったので、荷風が足繁く通いたくなるというものでしょう。
現在はそれらの面影を見ることはほとんどできなくなっているのですが、かろうじて当時を知る人などの話が聞け、荷風目撃談などが紹介されています。
こういう話を聞くことができるのはそう長くはないでしょうから、なかなか貴重だと思いました。

全体的に荷風一色の誌面になっていますが、荷風作品を知らなくても東京の昔の姿に興味がある人にとってはいいテキストになっていると思います。
しかし、やはり荷風についての知識があった方が数倍楽しめると思いますので、事前にぜひ墨東綺譚」などを読んでおくといいでしょう。
「荷風!」最新号についての詳細はこちらから。
荷風 2009年 06月号 [雑誌]

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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