本橋信宏さんの「心を開かせる技術」を読みました。
タイトルに技術とついていますがマニュアル本では決してなく、著者のこれまでの膨大なインタビュアーとしての経験からきた感覚的技術について書かれています。
話を聞く仕事というと僕なんかはカウンセラーという職業を思い浮かべ、その人たちからの話を聞くことはありますが、インタビュアーという職業からの視点というものに興味が湧きました。
この著者は一体誰に話を聞いているかというと、借金の取立屋、風俗関係者、左翼の闘士などなど、普通に生活していると知ることのできない人たちと様々なインタビューをしているのです。
この中で印象に残った言葉は、人に話しを聞くときにはその人に興味を持つこと、その人の半生を知りたいと思うことです。
人への好奇心があれば、聞くことがタブーと思えるようなことでも思い切って切り出すことができ、その結果心を開いてもらうことができる、というようなことが書かれていました。
これはカウンセリングという手法とは全く違うアプローチで、積極的に人へ介入していっています。
時には論争をしかけたり、笑いで相手をリラックスさせたり、粘り強く交渉をするという姿勢は大いに参考になりました。
僕の場合人に話しを聞くというシチュエーションはあまりないのですが、日常のコミュニケーションの方略としても十分に役に立つことではないでしょうか。
内容的にちょっとヘビーなものも出てきますが、著者の話を聞く姿勢と技術には興味をひかれる部分があると思いますよ。
文章は平易で読みやすいので数時間あれば読み終えてしまう1冊です。
心を開かせる技術―AV女優から元赤軍派議長まで (幻冬舎新書 も 1-1) | |
本橋 信宏
幻冬舎 2007-03 |
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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