「秒速5センチメートル」や「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」などを制作した映像作家、新海誠さんの美術作品集「空の記憶~The sky of thet longing for memories~」を見ました。
5月に購入してはいたんだけど、なかなか時間がとれずじっくりと見ることができないままだったのですが、ようやくゆっくりと眺めることができました。
本書は先に挙げた3作品と「信濃毎日新聞」の15秒スポットCF作品で登場してきたカットが多数紹介されています。
映像にはどのようなレイヤーが適用され、また光の効果が入れられているのかが解説されており、オリジナルの絵と効果を入れた後の比較もされています。
この比較により光やその他の小物がどれだけの演出効果が出るのかがよくわかり、新海ワールドの生成過程が見て取ることができるのです。
新海作品の美しさというのはその独特の光の使い方に特徴があるのですが、ただ闇雲に光を入れるのではなく、しっかりとした思想に基づいて挿入されているのがよくわかりますよ。
特に「秒速5センチメートル」では全ての季節が作品中に出てきており、その季節毎に光の柔らかさや差込具合いが異なっているのがみごとに表現されています。
新海監督の美しい世界観を知るためには最適の1冊ですね。
ただ残念なのは、既存の作品のカットがたくさん収録されているものの、新作は本書には入っていないところです。
デビュー以前の作品や今まで作品で使っていないカットも入っているともっと楽しめたのではないかと思います。
新海誠美術作品集 空の記憶~The sky of thet longing for memories~
新海 誠
その他の新海誠さんの作品はこちらからどうぞ。
小説、DVD、どれも素晴らしい作品ばかりですよ。