またまた素敵な写真集を購入しました。
加藤嶺夫さんの「東京 消えた街角」です。
本書は1999年に発刊されたものが、新装版として先日発売されたものです。
内容は、東京23区の昭和40年代の姿を中心として構成されています。
まだまだ戦後の雰囲気が残る風景が多数収録されており、しかも東京の23区が全て掲載されており、23区の当時の姿を満遍なく見ることができるのです。
銀座や新宿という繁華街だけでなく、荒川区や北区の住宅街も出ているので、東京での娯楽だけでなく生活までもしっかりとカバーされているのです。
具体的な中身を見てみると、昭和40年代にはまだまだ東京には畑があったり、蒸気機関車が走っていたりします。
たったの40年ちょっと前なのに、今とは全く違う姿に驚かされました。
都電があちことに走り、木造の長屋が並び、ボンネットバスも走り、渡し舟もある。
環境としては今よりも悪いのだろうけど、その光景はなんとなく懐かしさに満ちているのです。
僕が生まれてのは昭和48年なので、この40年代の記憶というのはないのだけれど、それでもここに出ている東京の風景は僕にとっての原光景と言ってもいいと思います。
写真ではなく、一度自分の目でこの景色を見ることができたらといつも思うのですが、それは叶わぬ夢でしょう。
だからこそ、このような人々の生活が手に取るようにわかる写真集を見るのが好きなのです。
きっとこれから事ある度にこの本を開くことと思います。
本書に掲載された写真で一番のお気に入りは54ページの文京区本郷、樋口一葉の井戸付近のものです。
今でも一葉の井戸は残っているのですが、この周囲はだいぶ新しい家が増えています。
しかし昭和42年当時は全て木目がしっかり見える木造住宅で、風情が圧倒的に違うのです。
もちろん今の姿も昭和の香りを十分過ぎる程残っているのですが、それでも当時の姿には叶いません。
現地を訪れて、それから本書を見るとさらに当時への憧憬が深まるかもしれません。
東京 消えた街角
加藤 嶺夫
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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