奥田英朗「イン・ザ・プール」

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奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」を読みました。

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
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伊良部総合病院の神経科医師、伊良部一郎のとんでも治療が愉快であると共に考えさせられる小説でした。
精神科やカウンセリングの小説と言うととかくドロドロして読後の気分が非常によろしくなくなってしまうものが多いのですが、この作品は何とも言えない爽快感があり、休むことなく読了できてしまいました。

収録作品は以下の5つ。
「イン・ザ・プール」
「勃ちっ放し」
「コンパニオン」
「フレンズ」
「いてもたっても」

心身症、ストーカー妄想、携帯電話依存症、強迫神経症など現代人にいつ現れてもおかしくない症状を持つ患者が次々の伊良部の下を訪れ、治療を受けるのです。
しかしその治療は所謂カウンセリングをするのでもなく、適切な投薬をするのでもなく伊良部が楽しいと思うことをするという欲望に従ったことしかやりません。
例えば注射針が腕に刺さっている姿を見るのがこの上もなく好きな伊良部は必要もないのに毎回看護士に患者を注射させて、その姿を見て興奮する。
友達がいない伊良部は携帯依存症の患者にひたすらメールを送ったり、きれいな患者を口説こうとしたり貢いじゃったり、患者と一緒にプールに行ったりなど、常識的な精神科医がする行動とはとても思えないものばかりです。
ところがなぜか患者の症状はいい方向に向かっていくという不思議な能力も持っているのですよ。
最初は患者の異常とも言える行動があるのですが、伊良部の行動はそれをはるかに越えた異常さを持っており、毒を以って毒を制すというような治療になっており、さらに伊良部は自分は全く治療をしているという意識はなくむしろ遊んでいるかのように見えるのがとても面白いのです。
現実には絶対にありえない事でしょうが、物語だからこそ楽しむことができるもので、実際にこの伊良部のような精神科医が自分の担当医になったとしたら無茶苦茶嫌です(笑)
しかし、精神科医小説の常識を覆すような痛快さが残るストーリーなので、どんな人にもお勧めできる作品だと思いました。
読み始めたらかなりはまると思いますよ。

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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