江戸を旅する 雑誌「荷風!」2009年3月号

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雑誌荷風 2009年3月号を購入しました。
とくとみはこの「荷風」という雑誌が大好きで過去にも何冊か購入しています。

特集「浅草・両国~隅田川両岸二町を歩く」 雑誌「荷風!」2008年12月号(とくとみぶろぐ)
北京オリンピックが開催される今だからこそ東京オリンピックが開催された昭和39年に想いを馳せる 雑誌「荷風 2008年 09月号」(とくとみぶろぐ)
かつての都電の雄姿再び 雑誌「荷風! 6月号 No.16」(とくとみぶろぐ)
「荷風 3月号」 池袋の歴史を知りたい方へ(とくとみぶろぐ)

さて、最新号である2009年3月号の特集は「江戸を旅する」です。
これまで僕が読んできた「荷風」は古くても明治時代の話で、ほとんどが昭和の頃の話なのでとてもイメージがしやすいものだったのですが、正直江戸という時代は僕にとってはイメージし辛いところがありました。
なぜならその当時から残っている建物などが東京にまだ残っているということを知らなかったからです。
そんな風にネガティブな印象を抱きつつ読み始めた本書ですが、それが間違っていることにすぐに気づかされました。
例えば以下のような読み物が掲載されています。

・「半七捕物帳」の江戸を歩く
・荷風の江戸“吉原”~旧廓街の今昔を往く
・浮世絵の東京歩き~広重の江戸。その今を訪ねる~
・江戸銭湯の歴史を訪ねる

これらを読むと江戸が実は身近にあったことを学ぶことができました。
「半七捕物帳」はもちろん架空の物語なのですが、その登場人物たちが江戸のどこに住んでいて、またどこにでかけたのかを現在の地図と照らし合わせてみると当時の人々の行動範囲の広さがよくわかります。
当時はもちろん徒歩での移動だったわけで、現在のように鉄道やバスがあるわけではありません。
例えば神田から目黒まで歩いており、もし自分がその距離を歩かなくてはならないとしたら・・・
考えただけでも恐ろしくなります。
昔の人の健脚を考えると尊敬の念で一杯になりました。

吉原に残る江戸については、ほんのわずかに残る石垣であったり、かつての土手跡である道のかすかな盛り上がりであったり、確かに小さな痕跡しかないのですが、それがそこにあるというだけで現代の東京が江戸から受け継いでいる何かを感じさせられました。
吉原は我が家から近いだけによけいにその思いを強く持ちました。

最後に江戸の浮世絵と現代の風景を重ね合わせてみるという企画ですが、これがまた面白いのです。
井の頭の池、日暮里諏訪台、向島、亀戸、待乳山、神田川、増上寺、霞ヶ関など。
もちろん風景は変わってしまっているのですが、その面影はしっかりと残っているのです。
ビルが建ち、道はアスファルトで固められているけど、そこにあるその土地独特の雰囲気はまだまだ残っているものなのです。
日暮里諏訪台は身近にあるだけに、現在の変わり果てた姿に愕然とさせられますが、目を閉じて現在の風景を思い出してみると、江戸の浮世絵に描かれた風景が確かに重なるのです。
江戸は遠い時代だけれども、遠くかけ離れてしまった時代ではないのだと思いました。

ここで紹介した以外にもまだまだ江戸についてのウンチク話がたくさん掲載されていますので、歴史好きの方、散歩好きの方、江戸美術に興味がある方にはお勧めの1冊ですよ。

荷風 2009年 03月号 [雑誌]
B001NFSB70

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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