松永和紀さんの「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」を読みました。
松永さんは食品が専門のサイエンスライターです。
この本はテレビ、新聞、雑誌などで報道される健康番組の内容及び、報道姿勢に対して警鐘を鳴らしています。
以前大問題になったTBSテレビの白インゲン豆ダイエットや、「発掘!あるある大事典2」の納豆捏造実験などを例にとりわかりやすく解説されています。
まずは目次をざっと見ていきましょう。
第1章 健康情報番組のウソ
第2章 黒か白かは単純すぎる
第3章 フードファディズムの世界へようこそ
第4章 警鐘報道をしたがる人びと
第5章 添加物バッシングの罪
第6章 自然志向の罠
第7章 「昔はよかった」の過ち
第8章 ニセ科学に騙されるな
第9章 ウソつき科学者を見破れ
第10章 政治経済に翻弄される科学
第11章 科学報道を見破る十ヵ条
この中で注目したい章は「第1章 健康情報番組のウソ」です。
このような番組では様々なデータや実験結果が紹介されますが、それらは真実なのでしょうか?
わかりやすさを追求するあまり本来省いてはいけない情報までを削除して単純化し、さらに都合の悪い情報には気にも留めていないという番組構成上の問題点を指摘しています。
そもそも科学に詳しくない素人が番組を作っており、そこには真実を追究しようという姿勢は入っていません。
ただ面白さや、恐怖心を煽ることしか考えていないかのようです。
そこから真実が見えてくるはずもないでしょう。
大きな問題となった上記2番組だけでなく日常的に誤りが大きく報道されているようです。
マスコミからの情報を受け取るときには相当気をつけていかなければならないと思いました。
これは科学報道だけでなく、政治問題にしろ歴史問題にしろ同様のことが言えると思います。
その他、環境ホルモン、マイナスイオン、食品添加物などなど、日常的に耳にして、人体に悪影響(いい影響も)を与えると思われる物質のウソも的確に見破っているので、食品や健康に関心のある人には必読の書でしょう。
今まで自分が信じてきたことが音をたてて崩れ、マスコミや市民団体からどれだけのウソ情報が流されているかを知り愕然とすると思いますよ。
著者のウェブサイトにはこの本の参考文献も列挙されているので、さらに詳しく知りたい人にも親切です。
著書の中で触れられていた食品の安全に関するブログも重要な情報が満載でかなり勉強になります。
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298)) 松永 和紀 by G-Tools |
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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