久々に小説を読みました。
村崎友さんの「修学旅行は終わらない」です。
本屋さんで平積みになっていたのがふと目に入って思わず手にとってみると、なかなか内容がおもしろそうでしたので即購入しました。
高校2年生の京都への修学旅行での最後の夜の出来事が描かれた作品なのですが、主人公は一人ではありません。
登場人物全てが主人公で、それぞれの視点がひとつの章でまとめられて、最終的に物語はひとつのゴールへと進んでいくのです。
たくさんの視点があるので物語が分散してしまいそうですが、決してそうではありません。
おそらくわずか1時間くらいの出来事が物語になっており、それをそれぞれの視点から語っていくと、何でもない出来事が実は恐ろしいほどにミステリーの要素を持ってくるという巧妙な描かれ方をしているので、物語にどんどん引き込まれていきます。
そしてひとつひとつ謎が解けていく様子が痛快であり、スピード感を失わない文章により一気に読めてしまいます。
ストーリー自体の面白さがある一方、登場人物の魅力の高さもやはり特筆すべきところでしょう。
一人ひとりのキャラが立っているので、誰に感情移入して読み進めていくかはおそらく人それぞれなのではないかな。
また、高校2年生というとどうしても異性との関係に興味が出てくる年頃で、男子からの視点、女子からの視点、さらに先生からの視点と、この時期の恋愛について語られていくのがとても興味深いです。
みんな真剣なんだけどどこかずれていて、そのズレに一生懸命悩んだりして、でも悩んでもなかなか結論に達することができなかったりして、きっと昔の自分のことを思い出して共感できる部分もあると思いますよ。
もう修学旅行に行くことのない大人にも読んで欲しい作品だし、これから修学旅行に行く中学生、高校生にもぜひ読んで欲しい作品ですね。
修学旅行での消灯後の楽しみを色々と思い出して、せつないような懐かしいような感覚が出てくる作品です。
〔MF文庫ダ・ヴィンチ〕修学旅行は終わらない (MF文庫 ダ・ヴィンチ む) (MF文庫 ダ・ヴィンチ む 1-1) スカイエマ |
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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