かつて日本全国を走っていたブルートレイン。夜に出発して、朝起きたら目的地に着いているという走るホテルでした。とは言うものの、実際には乗ってしまったらテンションが上ってしまってなかなか眠れるものではないのですけどね。僕自身数は少ないけれども何度かブルートレインには乗車しています。そこで今回はその中から寝台特急あけぼのの思い出をお話しようと思います。
あけぼのとの出会いは運休から
最初に寝台特急あけぼのを利用しようとしたのは2007年8月のことでした。ふらりと青森県を旅しようと思って予約したのですが、出発日に上野駅行ってみたらなんと運休のお知らせが出ているではないですか。
これには参りました。あけぼのに乗ることも目的だったのですが思いっきり出鼻をくじかれました。しかし、旅のプランが多くずれになるかと思いきや、翌日始発の新幹線に乗ることで、青森での計画を変更しなくて済んだのです。でも、夜にすごすごと自宅に戻らないといけないのは悲しかったなあ。
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そして念願の初乗車
先程の青森旅の帰りは新幹線の予定でしたが、行きであけぼのに乗れなかったので、ダメ元で窓口で上野行きの寝台券が売れ残っているか聞いてみました。すると、ある!しかもBソロという一人用個室寝台に乗り込むことができました。
正直、快適とは言えないけれども、列車の中で横になることができるなんて経験は初めてだったので大興奮しましたね。ちなみに、Bソロの個室は2階建てになっていて、僕は2階部分の部屋でした。外から見るこんな感じです。
この青い列車は客車です。自ら動力源をもたないので、機関車に牽引されます。この日は赤いEF81でした。
今度こそ上野からあけぼのに乗車
2度目の利用は2010年2月のことです。今度こそ上野から乗り込むことができました。
牽引する機関車はEF64です。
またしてもBソロのチケットがとれまして、今度は1階の部屋です。
2階よりも1階の方が天井部分がまっすぐなので広く感じます。ただ、揺れは1階の方がありますね。
この旅は真冬でしたので、朝起きると外は真っ白な世界でした。大鰐駅付近では弘南鉄道のラッセル車を見ることができたのはラッキーでした。
そうそう、青森に行くということで個室内で太宰治の「津軽」を読んだのも思い出のひとつです。
男4人で開放B寝台に乗車
2010年8月。3度目の乗車では初めて開放B寝台に乗りました。まずは上野駅で推進運転されてくるあけぼのをお出迎え。
客車の最後尾が先頭になって上野駅の地上ホームに入ってくるのも見どころのひとつでした。
開放B寝台には1区画に4つのベッドがあります。
ここを4人で占拠できるので4人用個室のような雰囲気でもありますね。僕は上段のベッドを仕様しました。
翌朝到着した大館駅ではホームで駅弁の販売がされていました。
ここで朝食を調達しました。このあけぼのへの乗車では終点の青森まで行きました。これまでの2回は弘前での上下車だったので、上野から青森まで乗り通したのはこれが初めてのことでした。
青森から上野まで乗り通す
4度目は先程の旅の帰り道です。最初は4人での旅でしたが、他の人達は先に帰京していたので、僕は一人で乗り込みます。スタート地点は青森です。
機関車はEF81です。ここではBソロに乗りました。
この狭さは何度も乗っていると完全に慣れますね。
翌朝、上野駅に到着したら機関車はEF64に代わっていました。
4度目のBソロへの乗車
2010年10月には5度目の乗車をしました。ここではBソロに乗ったので、個室寝台だと4度目ですね。
弘前で下車して、その足で白神山地へトレッキングに行きました。
最後のあけぼのへの乗車
2011年8月には岩手県と宮城県を旅しました。普通に東北新幹線で帰ってくれば楽なのに、なぜかあえてわざわざ青森県の弘前へと移動しました。当日たまたま窓口で聞いてみたらあけぼのの寝台券がまだ売り切れていなかったのですよ。というわけで、6度目の乗車です。
今回は開放B寝台の下段です。この乗車ではぐっすり寝た記憶があります。あの心地よい揺れが気持ちよかったなあ。
翌朝、上野駅に到着。
ぞろぞろと乗客たちが13番線ホームを移動していきます。
この時はまだ考えてもいなかったのですが、これが最後のあけぼのへの乗車となってしまいました。そう、廃止されてしまったのです。
2014年3月14日、あけぼのの定期運行が終了
ついにこの日が来てしまいました。ただし、毎日の定期運行が終わるのであって、完全廃止ではありません。きっと上野駅は大混雑するだろうなと思ったので、線路からちょっと離れた場所で動画撮影しました。
夜なのでブルートレインの色は出ていませんが、窓の光で脳内補完していただければと思います。
臨時列車として運行されるも、2015年1月で廃止
その後は臨時列車として観光シーズンなどに運行されました。タイミングが合えば上野駅に撮影に行きましたが、お出迎えの人の数がすごかったですね。
できれば撮るだけでなく乗りたいと思っていたものの、結局その思いは叶わず。大好きなあけぼのはその姿を消しました。
まとめ
寝台特急あけぼのに乗ることができたのは結局6回でした。Bソロに4回、開放B寝台に2回です。A寝台に乗ることはできませんでした。無理してでも一度は体験しておくべきだったなと今になって思ってます。なくなったら絶対に乗れませんからね。こうして乗車記録を振り返ってみたらすごく感傷的な気持ちになっちゃいました。今日はあけぼのの写真を眺めながら眠りにつくことにします。
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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。トップページ | 旅の全記録 | フォトウォーク | 登山の全記録
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