雑誌「旅と鉄道」の2008年10月号を読みました。
この号から価格、内容を一新ということでどうなるか楽しみにしていましたが、これまでより若干グレードダウンしたかのように感じてしまいました。
記事はおそらく編集部によるものと、フリーライターのものがあるように見えて、フリーのライターの記事が文章の技巧面に重きを置いているようで楽しさがあまり伝わってこないものが多かったような気がしたのです。
しかし、カメラマンが同行している企画記事はビジュアル面でも内容面でもとても満足のいくものでした。
今回の特集が「北の旅」だったので、僕の好きな東北地方と北海道の旅が紹介されていたからというのもあるでしょうが、その土地の自然、建築物、そして鉄道と廃線跡が余すところなく書かれていたというのが満足の要因でしょう。
特に函館本線の長万部から小樽への旅行記は現在と過去が記述された立体構造をしており、東京にいながら北海道に触れるという空間的飛躍だけでなく、過去に函館本線を走っていた列車や既に廃止されている岩内線について触れていたりと時間的飛躍も感じることができたと思います。
このように、技巧に走らず感性の赴くままの文章が旅の面白さを伝えてくれるものだと思いますので、価格が上がっている分、次号以降はもっとボリューム感あふれるこれまで通りの紀行記事を期待したいと思います。
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旅と鉄道 2008年 10月号 [雑誌] |