とくとみぶろぐ

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鈴木伸子「TOKYO建築50の謎」を読んだ

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鈴木伸子さんの「TOKYO建築50の謎」を読みました。

最近街を歩くとき建物を眺めることが多いです。

でも建築に関する知識はまるでなく、単に好き嫌いという感覚的な部分で建築物を見ています。

そんな僕ですから、この「TOKYO建築50の謎」はとても勉強になりました。

理論的なことではなく豆知識が多かったので読み物としてすごくおもしろかったですよ。

まずは目次から見てみましょう。

第1章 技術に関する謎
第2章 移動・輸送に関する謎
第3章 和風に関する謎
第4章 住居に関する謎
第5章 流行に関する謎
第6章 再生・循環に関する謎
第7章 場所に関する謎
第8章 歴史に関する謎
第9章 奇想に関する謎
第10章 建築用語に関する謎

この中で一番気になったのは第4章の住居に関する謎の中の「木造一軒家は、いつまで都心に存在し続けられるか?」という項目です。

最近都内の古い木造一軒家を見かけると必ず写真に撮っているのですが、以前あったのに再び訪れてみるといつの間にかなくなっているということがよくあります。

管理・維持という観点から大変だろうということは想像できるのですが、再開発という点も見逃せません。

本書でもその点に触れられており簡潔にまとめられています。

港区、千代田区という都心のど真ん中の木造家屋の例が出ていましたが、確かにビルの谷間にぽつんとある家を見かけることがたまにあります。

でもあと数年内にそういう家もなくなってしまうのでしょう。

当事者でないから言えることかもしれませんが、なんだかとても寂しいものです。

第6章の再生・循環に関する謎も興味深いものでした。

これから古い建物は老朽化やオーナーの変更などで建て替えや、リノベーションが必要になってきます。

リノベーションとは既存の建物を建て替えるのではなく、改装によって価値を高めることです。

地方の廃校を利用して、観光施設にしたりアートの場とするのはまさにこのリノベーションに当ります。

この章では銀行、学校、公共施設の再利用について触れられており、これからの都市作りについてのヒントが書かれています。

環境という観点からもこのリノベーションはこれからもっと注目されていいことだと思いますので、僕もさらに勉強してみたい点です。

それ以外にもエッセイ風に建築に関する謎がわかりやすく書かれていますので、とても読みやい本になっています。

建築を専門にしている方にとっては物足りないかもしれませんが、僕のような専門外にとってはいい入門書だと思います。

街歩き、散歩の指南書にもなりますしね。

お勧めの1冊です。

ただ、掲載されている写真が不鮮明なのが残念なところです。

新書だから仕方ないかな。

TOKYO建築50の謎 (中公新書ラクレ 285) TOKYO建築50の謎 (中公新書ラクレ 285)
鈴木 伸子


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