都電撮影の合間にふと迷い込んだ路地裏に井戸ポンプがありました。
ポンプといい、土台といい、全てにおいて年季の入った井戸でした。
このポンプの撮影をしていたら近所の方がちょうどやってきたのでこの井戸についての話を伺いました。
このポンプがある路地は人ひとりがようやく通れるような細い道だらけなので、かつてこの近辺でボヤ騒ぎがあった時は消防車が入れなかったことがあるそうです。
その時はこの井戸から水をくんで、近所の人達総出でバケツリレーをして消化にあたったそうです。
また、昭和の時代の子供達はこの井戸の周りに集まってメンコをしたりかくれんぼをしたりなどの遊びをしているのをよく見かけたとのことです。
今では子供の数も減ったし、いたとしても学校から帰ってきたらゲームをするか塾をするかでこの井戸にやってくることはないのが寂しいともおっしゃっていました。
最近では近所の道路拡幅工事のために井戸の水の出が悪くなってきていて、呼び水をすればようやく出るものの、その面倒が加わったせいで井戸を利用する人も少なくなったそうです。
故障したときに修理出来る人も少ないし、いつまで設置できるかわからないとも言っていました。
個人的にはこの井戸がある風景は残って欲しいのですが、維持自体が難しいのでいつまでも残しておくわけにはいかないのかもしれません。
そんな日が来るのは悲しいですが、できるだけ写真で記録に残させていただこうと思います。
またこの井戸ポンプを訪れて撮影することになるでしょう。
写真はNikon D40x+Nikon AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR AFSDX18105GEDVRで撮影したものです。