三陸鉄道北リアス線の宮古から小本までの車窓風景夏の青春18きっぷの旅2011 東北編その4

8月11日。
13:10、宮古発小本行き三陸鉄道復興支援列車に乗車。
列車はほぼ満員の乗客を乗せて走り出し、市街地を抜け、トンネルをいくつかくぐります。

小さな駅で地元の人々が下車していきます。
ワンマン列車なので運転士さんに切符を手渡して。

鉄道がある日常風景がここにはありました。

列車はまるで秘境区間を行くような緑が生い茂った区間に入ります。

さらにトンネルをいくつか抜けると田老駅に到着。

ここで大半のお客さんが下車していきました。
下車客が一段落したところでドアからホームを眺めてみると、

ホームに飾られた風鈴の澄んだ音色の向こうに3月11日の津波被害の残骸が取り残されているのが見えました。
宮古駅からこの田老駅の手前までは内陸部を走っていたので津波による被害は全くなかったのですが、この田老駅ホームから見える風景は衝撃的でした。
テレビの画面で見るのとは違い、自分の目で見るこの光景は圧倒的な現実感があり、自然の力の凄まじさに改めて人間の無力感も感じてしまいました。
列車は田老駅を出ます。

ところどころ残っている家はありますが、残っているのはほとんど基礎の部分のみ。
青く美しい空と地上のこの風景とのギャップに悩まされます。
それまで賑やかだった乗客も、この田老の現実を無言でただただ見つめるのみです。

田老を出るとまた内陸部に入っていくので沿岸部の景色は見えなくなりました。
海の風景から山の田んぼの風景に変わります。

そして現在の終点の小本駅へ。

13:52、小本着。

乗客は僕を含めて観光客も何人かいましたが、ほとんど地元の人々でした。
小本から陸中野田まではまだ現在復旧の見込みがたっていないので、宮古発の列車はここが現在の終点となります。
宮古からこの小本まで乗ってみたところ、地元の人々の利用がとても多かったように見えました。
まさに復興支援列車としての役割を果たしているのだと思います。
おじいさん、おばあさん、学生さん、そして小さな子供。
たくさんの人に愛されているこの三陸鉄道の一日も早い全線復旧を願ってやみません。

次回は小本駅の様子を紹介します。

写真はNikon D90＋Nikon AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR AFSDX18105GEDVRで撮影しました。

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この記事の筆者は徳富政樹(とくとみ)です。ブロガー、街歩き案内人、なんちゃってフォトグラファー。日本全国を旅しながら写真撮影をしています。マニアックな場所や美味しいもの、鉄道、井戸ポンプ、ネコが好きです。
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